LINE公式アカウントのクリック率を見て、「記事に載っていた平均より低い。配信がうまくいっていないのかな」と気になっていませんか。
平均と比べる前に、画面・人数か回数か・分母・確認した時点をそろえましょう。同じクリック率という名前でも、対象や式が違えば、そのまま比較できません。
管理人のNoahです。公式マニュアルの定義を確認し、配信1件の記録から比較判断までの手順を整理しました。
この記事では架空の美容室の計算例と、そのまま写せる記録表を使います。読み終えたら、自分の配信を「参考比較できる」「条件不明で保留」「別指標で直接比較不可」のどれかに整理できます。
ステップ1 画面を確かめる
クリックとクリックユーザー:回数と人数
まずWeb版管理画面で、次の順に対象を確認します。
- 「分析」→「メッセージ配信」を開く。
- 一覧の期間を選び、調べたい配信を選択する。
- 「概要」で配信全体を見て、「詳細を表示」で吹き出し・URLごとの項目を確認する。
これは公式マニュアルの画面案内に沿った手順です。以下では、通常の吹き出しに予約ページのリンクを一つ入れた配信を対象にします。
- クリックユーザー:押した人数(配信全体)
- クリック:押された回数(吹き出し・URLごと)
- インプレッション:吹き出しが表示された回数
同じ人が複数回押すこともあるため、同じ配信でもクリックユーザーとクリックの値が一致するとは限りません。
インプレッションは、吹き出し全体が表示された時点で数えられます。公式の吹き出しCTRはクリック回数÷インプレッション回数×100です。(出典:LINEヤフー for Business「分析―メッセージ配信」)
選んだ配信には「予約案内A」などの匿名ラベルを付け、吹き出し番号とリンクの用途も控えてください。複数の吹き出しがある場合は、全体のクリック人数を一つの吹き出しのクリック回数へ置き換えないようにします。
リッチメニュー・キャンペーン:別の指標
同じ「クリック率」という名前でも、画面によって数える対象が変わります。率の名前に加えて、何を何で割ったかまで確認してください。
| 画面・対象 | 分子/分母 | 扱い |
|---|---|---|
| 配信・1吹き出し | URLクリック回数/吹き出し表示回数 | この記事の中心となるCTR |
| 配信全体のクリックユーザー | URLを押した人数/この項目に分母はない | 人数として記録 |
| リッチメニュー | クリックした人数/表示させた人数 | 配信とは別指標 |
| キャンペーン | リンククリック数/メッセージ開封数 | キャンペーン単位の指標 |
配信とキャンペーンの定義は公式の集計単位表で確認できます。
(出典:LINEヤフー for Business「分析―メッセージ配信」)リッチメニューのCTRは人数同士の割合で、吹き出しの回数同士の割合とは別です。(出典:LINEヤフー for Business「分析―リッチメニュー」)
たとえばメニューを押した人の割合が分かっても、予約案内の吹き出しが押された割合には置き換えられません。まず自分の画面を決め、その画面の定義で記録します。
ステップ2 1件を記録する
計算例:架空の美容室の配信
以下は説明用に作った架空の美容室のデータです。実店舗の結果でも、業界平均でもありません。通常の吹き出し一つに予約ページのリンク一つを入れ、セグメント表示は使わない設定です。
「予約案内A」を2026年9月20日10時に配信し、9月23日10時に確認したとします。どちらも日本時間(JST)で、配信から72時間後の記録です。
| 項目 | 架空値と対象 |
|---|---|
| 配信 | 100人・1配信 |
| 開封 | 60人・1配信 |
| クリックユーザー | 25人・1配信 |
| インプレッション | 120回・吹き出し1 |
| クリック | 40回・吹き出し1 |
吹き出し1の公式CTRを計算するなら、使うのは回数の二つです。40回÷120回×100=約33.3%となります。
25人が合計40回押すことは、人数と回数の定義上、両立します。ただし、この集計だけでは誰が何回押したかまでは分かりません。
| 区別するための補助計算 | 結果 |
|---|---|
| クリック人数÷配信人数 | 25人÷100人×100=25% |
| クリック人数÷開封人数 | 25人÷60人×100=約41.7% |
この二つは、ここで独自に計算した人数ベースの割合です。吹き出しやキャンペーンの公式CTRという名前では記録しません。
「配信した人のうち何人が押したか」を見たいなら、配信人数基準の割合として式を残せます。公式画面の率と取り違えないための補助計算であり、毎回すべての割合を出す必要はありません。
33.3%、25%、41.7%は同じ架空データから出た値でも、意味が違います。この例だけで「成績が良い」「予約が取れた」とは判断できないので、次は比較条件も含めて記録します。
記録表:1配信につき1枚
下の表をメモや手持ちの表計算へコピーし、1配信・1吹き出しにつき1枚を埋めてみてください。前回と比べるときは、前回分も別の1枚にします。
| 記録項目 | 自分の記録 |
|---|---|
| 匿名の配信ラベル/内容の種類 | [例:予約案内A。顧客情報は書かない] |
| 画面・対象 | [メッセージ配信/吹き出し番号/リンク用途/セグメント有無] |
| 配信日時・タイムゾーン | [ ] |
| 確認日時・配信後の経過時間 | [ ] |
| 一覧の対象期間/集計完了・更新表示 | [ ] |
| 配信人数・開封人数・クリック人数 | [表示値と単位。ーはーと記録] |
| 吹き出しの表示回数・クリック回数 | [表示値と単位。取得できない値は補わない] |
| 指標名・算式 | [対象・分子・分母・単位] |
| 画面の率/自分の計算結果 | [表示なし・計算不可もそのまま] |
| 比較相手 | [過去配信/出典のある平均/まだなし] |
| 相手の定義・観測条件 | [分かった条件と未確認の条件] |
| 比較判定・理由 | [参考比較可/条件不明で保留/別指標で直接比較不可] |
| 次に確認すること | [不足条件を一つ] |
最初は、対象と二つの日時から埋めると取り違えを防ぎやすくなります。架空例なら「予約案内A/吹き出し1/リンク用途は予約」「9月20日10時JST配信/9月23日10時JST確認/72時間後」です。
- 一覧の対象期間と、配信後の経過時間は別に書く(同じ9月の一覧でも、月初と月末の配信では経過時間が違う)
- 人数と回数は単位まで写し、「ー」や非表示もそのまま残す
- 画面の率と手計算が違ったら、対象・単位・丸め方を見直す。一致するまで画面の値を上書きしない
相手の条件がまだ分からなくても、記録を止める必要はありません。「比較判定:保留/理由:相手の式が未確認/次の確認:出典の計算式」と書けば、その時点で分かる範囲の記録になります。
ステップ3 表示条件を確かめる
0・ー・非表示:意味の違い
クリック欄が「ー」だと、反応がなかったように見えるかもしれません。けれど、値を取得できない状態を0回へ置き換えると、計算の前提が変わってしまいます。
メッセージ配信の概要・詳細には、結果が1〜19のとき、配信は実数、開封は0、その他の指標は「ー」とする表示条件があります。したがって、開封欄の0だけから「誰も開いていない」とは断定できません。(出典:LINEヤフー for Business「分析―メッセージ配信」)
| 画面の表示 | 記録のしかた |
|---|---|
| 0 | 表示値は「0」と写し、表示条件を確認してから意味を判断する |
| ー | 「ー」と写す。分子なら率は計算しない |
| 非表示・未確認 | 状態をそのまま書く。0人・0回には置き換えない |
| 分母が0・未確認 | 「計算不可」と書く |
たとえばクリックが「ー」、インプレッションが120回なら、「0÷120=0%」にはしません。「クリック回数を取得できないため計算不可」と残してください。
セグメントごとの配信やカードタイプの各カードには追加条件があります。配信人数が20人以上というだけで全項目が表示されるとは限らないため、対象を変えたときは公式の該当欄を確認しましょう。(出典:LINEヤフー for Business「分析―メッセージ配信」)
リッチメニューにも独自の非表示条件があります。選択期間にクリックした人数が20人未満の場合は数値が表示されず、配信の表示ルールをそのまま当てはめられません。(出典:LINEヤフー for Business「分析―リッチメニュー」)
集計の時点:経過時間と完了日
配信翌日の値と、配信から14日後の値では観測時点が違います。まず確認日時と経過時間を残し、途中の値かどうかを区別しましょう。
通常のメッセージ配信の反応は配信後14日間が集計対象です。グラフは最初の24時間は約30分刻みの推定更新、その後は日次更新となり、コンバージョンは別の計測期間です。(出典:LINEヤフー for Business「分析―メッセージ配信」)
観測時点をそろえるための記録ルールは、次のように決められます。
- 店のルールとして「次回も配信から72時間後に控える」と決める。72時間は架空例の設定で、公式の推奨時点ではない。
- 予定より遅れたら実際の確認日時を書く。
- 更新・集計完了の表示を写し、確認できなければ「更新状態:未確認」と残す。
リッチメニューは選択期間の統計なので、配信後14日間という窓を転用しません。
公式では日次集計の前日分が翌日正午ごろまでに完了する目安が示されていますが、実際に確認できる日は画面の集計完了日で確かめます。(出典:LINEヤフー for Business「各指標の値の確認が可能なタイミング」)
今回72時間後、前回14日後という記録なら、「時点が異なる」と判定欄へ書けます。率を計算できたことと、同条件で比較できることは分けて考えましょう。
ステップ4 条件をそろえて比べる
照合する項目:指標と観測条件
検索した記事の平均より低くても、すぐに失敗とは決められません。計算上の指標が同じかを確認した後で、観測条件を照合する順番にすると整理しやすくなります。
| 照合項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 対象 | 配信全体/吹き出し/メニュー/キャンペーン |
| 分子と分母・単位 | どの数字を割るか。人数か回数か |
| 観測時点・更新状態 | 配信からの経過時間。確定か途中か |
| 配信先 | 全体配信か絞り込みか。人数や対象の違い |
| 内容・形式 | 案内の目的、リンク数、吹き出し数など |
| 平均の調査条件 | 出典、調査時期、対象業種、件数、集計方法 |
この表は比較前の確認用に編集したもので、公式の合否基準ではありません。全国共通の「このCTRなら良い」という閾値は、この記事では設定しません。
- 式・対象・単位が違う:別指標なので直接比較しない。
- 指標の定義が不明:条件不明で保留する。
- 同じ指標で条件も近い:違いを併記して参考比較する。
平均の説明が「クリックした人÷配信した人」なら、吹き出しの「クリック回数÷表示回数」とは直接比べられません。同じ式でも、業種や配信先、時期、集計方法が違えば、その違いを残します。
平均値が異なる理由を、分母だけで説明し切ることはできません。相手の式が分かっても、それだけで平均の差が生じた原因まで確定するわけではないからです。
比較の結論:書けることと保留
同じ指標・近い条件で前回より率が低ければ、「この記録では前回より低かった」と書けます。そこから「文章が原因だった」まで言うには、別の根拠が必要です。
| 書けること | まだ判断できないこと |
|---|---|
| 記録したCTRと前回との差 | 文章や時間帯が差を生んだ原因 |
| リンクのクリックがあった | クリックした人が予約・購入した |
| 相手の条件が不足している | 平均以下だから配信に失敗した |
予約数や売上を見たい場合は、予約・購入についての別の集計が要ります。クリックの記録には、確認していない予約数を追加しないでください。
次の行動は、不足条件を一つ埋めるか、次回も同じ方法で記録することです。たとえば「前回の確認日時を探す」「平均の出典で対象業種を確認する」と、確認先まで書くと作業が具体的になります。
その後で文章を見直したい場合はLINE配信文章の作り方へ、ブロック数も確認したい場合はブロック数の確認方法へ進めます。CTRから原因を決めつけず、別の課題として扱いましょう。
ステップ5 ChatGPTで確認漏れを探す
入力する内容:確認済みの集計だけ
ばらばらのメモを表へまとめる作業には、ChatGPTを使う方法もあります。画面から確認した匿名の集計と、人が確認した式だけを渡してください。
計算だけなら電卓で足ります。ChatGPTは文章で残した条件を整理し、比較前に確認が足りない項目を探す補助として使い、有料ツールの導入をこの作業の前提にしません。
ChatGPTの新しい会話に下の指示文を貼り付けて送信します。最初は架空例のまま試し、自分の記録に替えるときも未確認の欄はそのまま残しましょう。
- 顧客名・LINE ID・予約内容・個別トーク・顧客一覧は入力しない。
- 認証情報・管理画面URL・顧客情報入りの画面画像は送らない。
- 比較相手は出典に書かれた条件を確認してから追加し、不明値を埋めない。
以下は説明用の架空の美容室データです。顧客情報は含みません。 目的は数値の記録と比較可否の整理です。改善策や原因診断は不要です。 入力にない平均、人数、効果は補わず「未確認」としてください。 ー・非表示・未確認は0へ変換しないでください。 分母が0または未確認なら計算不可としてください。 配信ラベル:予約案内A 画面:LINE公式の分析→メッセージ配信。セグメントなし。 対象:1配信、通常の吹き出し1、予約ページへのリンク1つ。 配信:2026/9/20 10:00 JST 確認:2026/9/23 10:00 JST(72時間後) 一覧の対象期間:2026/9/20〜9/23 画面の更新・集計完了表示:未確認 配信100人、開封60人、クリックユーザー25人 吹き出し1のインプレッション120回、クリック40回 この対象の公式CTRの式:クリック回数÷インプレッション回数×100 比較相手:ある記事の「平均CTR」。値、対象、式、時期、配信先は未確認。 出力: 1. 「項目/記録」の2列の表。入力の単位を保持。 2. 吹き出し1の公式CTRの計算式と結果(小数1桁)。 3. 確認済み・未確認を分ける。 4. 比較判定と理由。次に確認すべき条件を列挙。 クリック人数をクリック回数として使わないでください。
画面を丸ごと送らなくても、この集計メモで整理を依頼できます。AIに管理画面へのアクセスや顧客ごとの行動推定を求める必要はありません。
出力の確認:電卓と元の画面
次の表は期待する出力の設計見本で、ChatGPTの実行結果ではありません。架空例を整理した場合に、残してほしい内容を示しています。
| 項目 | 記録の見本 |
|---|---|
| 対象・観測 | 予約案内A/吹き出し1/セグメントなし/配信後72時間 |
| 確認済み(架空入力) | 配信100人、開封60人、クリックユーザー25人/表示120回、クリック40回 |
| 公式CTR | 40回÷120回×100=33.3% |
| 未確認 | 画面の更新状態/平均の値・対象・式・時期・配信先 |
| 比較判定 | 保留。平均の定義と観測条件が未確認 |
| 次の確認 | 平均の出典条件と、自分の画面の更新状態 |
自分の値で出力させたら、元の画面を見ながら以下を照合してください。AIが表にしたことは、値や判定が正しいという保証にはなりません。
- 数値・対象・単位が入力と元の画面に一致しているか。
- 計算を電卓で確認したか。架空例なら40÷120×100を小数1桁に丸めて33.3%。
- 「ー」や未確認を0に変えていないか。分母0・不明を計算していないか。
- 入力していない平均、予約数、効果、原因を追加していないか。
- 人数ベースの独自割合を公式CTRと書いていないか。
もし「文章が弱いから低い」などの原因が出たら、その部分は採用しません。必要な記録だけを元の数値で直すか、「原因は書かず未確認条件だけ整理」と再依頼します。
作業の終点は、記録が元の表示と一致し、比較判定と理由を一つ書けた状態です。「保留」も、不足している条件を示せれば判断の一つになります。
まとめ:対象・単位・分母・観測時点を残してから比べる
- どの配信・吹き出しの数字かを決め、人数と回数を分ける。
- 式と分母を残し、ー・非表示・未確認を0にしない。
- 配信日時と確認日時を控え、比較相手の条件と照合する。
まずは最近の配信1件を選び、記録表を1枚埋めてみてください。比較できなければ「何が分かれば比べられるか」を一つ残すところまでで大丈夫です。
送信数や費用が気になる場合はLINE公式アカウントの料金の考え方を、記録を普段の作業に組み込みたい場合は小さな店のLINE運用計画を参考にしてください。今回のCTRの記録とは課題を分けて進められます。

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