LINE公式アカウントのAIチャットボットの使い方|月3,000円を払う前に無料で試せる準備とテスト

AI接客

LINE公式アカウントに「AIチャットボット」が加わったと聞いたけれど、月3,000円を払って本当にちゃんと答えてくれるのか分からない。営業時間や予約の仕方のような同じ質問に、今日も手で返している……という方も多いのではないでしょうか。

管理人のNoahです。先に結論を言うと、AIチャットボットは、Q&Aの登録と応答テストまでなら無料で試せます。お金がかかるのは、お客様に実際に自動で返信させる段階からです。

つまり、自分の店のQ&AでAIがどれくらい正しく答えるかを確かめてから、払うかどうかを決められます。この記事では、LINEヤフーの公式マニュアルとお知らせで確かめた仕様をもとに、その手順を4つのステップで紹介します。

Q&Aの元になる資料づくりと、テストに使う質問づくりにはChatGPTを使います。読み終えるころには、払うべきか、無料の応答メッセージで十分かを自分で判断できるようになっているはずです。

全体像:無料で試せる範囲と有料の範囲

AIチャットボット(β)は、あらかじめ登録したQ&A(質問と回答の組み合わせ)の中から、お客様の質問に合う回答をAIが選んで自動で返す機能です。AIが自由に文章を作って答えるわけではありません。

この機能は、使う段階によって無料と有料が分かれています。

できること チャットProなし(無料) チャットProあり(月3,000円・税別)
Q&Aの登録(自動生成も含む) ○ ○
応答テスト(AIがどう答えるかの確認) ○ ○
お客様への自動返信 × ○

無料:Q&A登録と応答テスト

Q&Aの登録と応答テストは、チャットProを契約していないアカウントでも使えます。お金を払う前に、自分の店のQ&AでAIがどれくらい正しく答えるかを確かめられるということです。

設定はパソコンのブラウザで開く管理画面(LINE Official Account Manager)からだけ行えます。スマホアプリからは設定できません。

ただし、次の2つは例外です。

  • 代理店が開設・管理しているアカウント:LINEヤフーの認定セールスパートナーが作ったり管理したりしている場合は、登録とテストにもチャットProが必要
  • 対象外の業種:LINEヤフーが対象外と判断した業種のアカウントでは使えない

有料:お客様への自動返信

登録したQ&Aで実際にお客様へ返信させるには、チャットProオプション(月3,000円・税別)の契約が必要です。チャットProは、保存できるデータの拡張やチャット管理の機能もまとめたオプションです。

AIチャットボットのためだけに払うかどうかは、ステップ3の応答テストを終えてから決めれば十分です。

(出典:LINEヤフー for Business「AIチャットボット(β)」マニュアル、同「AIチャットボット(β)とは」)

応答メッセージとの違い

LINE公式アカウントには、無料で使える「応答メッセージ」もあります。違いは、質問の言い方が登録と違っても答えられるかどうかです。

  • 応答メッセージ:登録したキーワードと同じ言葉が送られたときだけ返す。「駐車場」で登録すると「車で行けますか?」には返らない
  • AIチャットボット:言い方が違っても、意味の近いQ&Aを選んで返す。合うものがなければ「適切な回答が見つからない」という決まった返事を送る

応答メッセージのキーワードが当たらなくて困っている場合は、先に自動応答が反応しないときの確認手順を試してみてください。無料のまま直せることもあります。

ステップ1 Q&Aの元になる資料を作る

AIチャットボットは、登録したQ&Aにないことには答えられません。答えの質は、最初に用意する資料で決まります。

よく聞かれる質問を集める

まず、お客様から実際に聞かれている質問を集めます。探す場所は次の3つです。

  • LINEのチャット:管理画面の「チャット」で、ここ1〜2か月のやり取りを見返す
  • 電話:よくかかってくる質問をメモに書き出す
  • 店頭:会計のときや帰り際によく聞かれること

集めた質問を種類ごとに分けて数え、回答をそろえるやり方は公式LINEのよくある質問の作り方で詳しく紹介しています。すでに回答をまとめた表があれば、それをそのまま使えます。

店の案内を1枚にまとめる

AIチャットボットには、PDFや画像を読ませてQ&Aを自動で作らせる機能があります。そこで、集めた質問への答えを「店の案内」として1つの文書にまとめ、PDFにして読ませます。

文書づくりはChatGPTに任せると早く済みます。〔 〕の中を自分の店の情報に置き換えて使ってください。

次の情報をもとに、お客様向けの「店の案内」を作ってください。LINEのAIチャットボットにQ&Aを作らせるための資料として使います。

【店の情報】
・業種:〔1人で営業している美容室〕
・営業時間と定休日:〔10時〜19時、火曜定休〕
・予約の方法:〔LINEのリッチメニューの「予約」から。当日の予約は電話のみ〕
・キャンセル:〔前日までに連絡。当日キャンセルは次回の予約をお断りすることがある〕
・支払い方法:〔現金、クレジットカード、PayPay〕
・駐車場:〔なし。近くのコインパーキングを案内〕
・よく聞かれること:〔子ども連れで行けるか、白髪染めの所要時間、前髪だけのカット〕

【お願い】
1. 見出しを「営業時間」「予約」「キャンセル」「支払い」「アクセス」「よくある質問」に分けて書く
2. 1つの見出しの中は、お客様の質問と答えがはっきり対応する形にする
3. 上の情報にないことは書き足さない。分からないところは【要確認】と書く

出てきた文書は、料金・時間・条件が実際の店と合っているか、必ず自分で確かめてください。ChatGPTは、渡していない条件をもっともらしく書き足すことがあります。【要確認】の箇所は、自分で埋めるか削ります。

確かめた文書は、GoogleドキュメントやWordに貼り付けて、PDFとして保存します。Googleドキュメントなら「ファイル」→「ダウンロード」→「PDF ドキュメント」です。

ステップ2 Q&Aを登録する

①注意事項に同意する ②PDFから自動生成 ③確認して有効にする
Q&Aを登録する流れ(チャットProなしでもここまでできる)

ここからはパソコンでLINE Official Account Managerを開いて進めます。チャットProを契約していなくても、ここまではできます。

利用開始の同意

最初に、AIチャットボット(β)の注意事項を確認して同意します。画面の「注意事項を確認しました」にチェックを入れ、「AIチャットボット(β)を利用」をクリックします。

同意できるのは「管理者」の権限を持つ人だけです。スタッフに「運用担当者」として設定を任せている場合は、管理者が先に同意しておきます。

自動生成:PDFや画像から作る

Q&Aの作成画面で「作成」を押すと、作り方を3つから選べます。

  • 自動生成:PDFや画像(JPEG・PNG)を読ませてQ&Aを作る。ステップ1で作ったPDFはここで使う
  • 複数作成:CSVファイルでまとめて登録する。回答をまとめた表がある場合に向く
  • 個別作成:1件ずつ手で入力する。あとから1〜2件足すときに使う

自動生成で読ませられるファイルは1つ30MBまでで、PDFと画像はそれぞれ10個まで追加できます。自動生成は月30回までなので、資料をまとめてから1回で読ませるほうが回数を無駄にしません。

メニュー表や料金表の写真、店のホームページを保存したPDFも読ませられます。

生成されたQ&Aの確認

自動生成されたQ&Aは、保存する前に1件ずつ中身を確かめます。公式マニュアルでも、保存前に必ず確認するよう案内されています。

  • 回答の料金・時間・条件が、ステップ1で確かめた内容と同じか
  • 1つの回答に、別の質問の答えが混ざっていないか
  • 同じ質問のQ&Aが2つ以上できていないか

登録できるQ&Aは100件までです。保存したら、お客様への返信に使いたいQ&Aのステータスを「有効」にします。「有効」になっていないQ&Aは、テストでも返信でも使われません。

ステップ3 応答テストで試す

Q&Aを登録したら、「Q&A応答テスト」で、AIがどう答えるかを確かめます。月3,000円を払うかどうかは、このテストの結果で決めます。

テストは、AIチャットボットの画面にある「Q&A応答テスト」に質問を入力して行います。お客様には何も送られないので、何度試しても大丈夫です。

ただし、1日に使える回数には上限があります。思いついた順に試すより、試す質問を先にまとめておき、1日で終わらなければ翌日に続けます。

言い換えた質問で試す

Q&Aと同じ言葉で聞けば、答えられるのは当たり前です。確かめたいのは、お客様がふだん送ってくる崩れた言い方でも、正しいQ&Aを選べるかです。

言い換えの質問はChatGPTに作らせます。

〔美容室〕のお客様が、LINEで店に送ってきそうな質問を作ってください。

【質問のテーマ】
〔駐車場、当日の予約、キャンセル、支払い方法、子ども連れ〕

【条件】
・1つのテーマにつき3通り。丁寧な言い方、短い言い方、話し言葉(「〜っすか」「〜できる?」など)を混ぜる
・誤字や、絵文字だけのものも1つずつ入れる
・テーマに当てはまらない質問(「明日空いてますか?」「おすすめのメニューは?」など)も3つ入れる

テーマを5つにすれば、言い換えと当てはまらない質問を合わせて20問ほどになります。出てきた質問を1つずつ応答テストに入れ、結果をメモします。メモは次のような表にすると、どこを直せばいいかが見えます。

試した質問 AIが選んだQ&A 結果
車で行っても大丈夫ですか? 駐車場はありますか? ○
今日いけます? 営業時間を教えてください △(聞きたいのは当日の予約)
明日の14時空いてますか? (見つからない) ○(空き状況はAIでは答えられないので正しい)

※表の質問と結果は、記録の付け方を示すための例です。

結果ごとの直し方は次のとおりです。

  • 正しく答えた:そのままでよい
  • 違うQ&Aを選んだ:「返信メッセージを編集」からQ&Aを直す。似たQ&Aが2つあるなら1つにまとめる
  • 答えられなかった:よく来そうな質問なら、個別作成でQ&Aを足す

表の2行目のように、近いけれど違うQ&Aを選んだときは、当日の予約についてのQ&A(「当日のご予約はお電話でお願いします」など)が足りていないサインです。個別作成で1件足してから、同じ質問でもう一度試します。

1回で全部が正しくなる必要はありません。直してはテストする、を2〜3回くり返してから判断します。

答えられない質問への返事

合うQ&Aがないとき、AIチャットボットは「適切な回答が見つからない」ときのシステムメッセージを返します。このメッセージの文面は自分で変えられます。返す条件は変えられません。

空いている日時を聞く質問のように、AIでは答えられないものは必ず来ます。そのときにお客様が次に何をすればいいか分かる文面にしておきます。

お問い合わせありがとうございます。この内容は自動ではお答えできないため、〔営業時間内に担当者から返信します〕。お急ぎの場合は〔お電話(000-0000-0000)〕でご連絡ください。ご予約はメニューの「予約」からどうぞ。

同じように、スタンプや画像が送られたとき(テキスト以外のメッセージを受信)の文面も変えられます。

ステップ4 払うかを決める

テストを終えたら、チャットProを契約するかを決めます。目安は次のとおりです。

見るところ チャットProが合う 応答メッセージで足りる
テストの結果 言い換えでも正しく答えた 直しても違う答えが多い
質問の種類 10種類以上あり、言い方がばらばら 数種類で、言い方がほぼ決まっている
届く時間 営業時間外や施術中に多い 手が空いているときに返せている

チャットProが合う店

1人で施術や接客をしていて、手が離せない時間に同じ質問が何度も届く店です。返信が数時間後になると、その間にお客様が別の店に予約してしまうこともあります。

月3,000円(税別)は、1日あたりにすると100円ほどです。テストで正しく答えられた質問が、ふだん手で返している質問の大半を占めているなら、検討する価値はあります。

応答メッセージで足りる店

聞かれることが「営業時間」「駐車場」「予約の方法」くらいに限られている店は、無料の応答メッセージで足ります。キーワードに言い方の揺れを何通りか登録しておけば、多くは拾えます。

テストで作ったQ&Aは無駄になりません。回答の文章は、そのまま応答メッセージやよくある質問のページに写せます。

自動返信を始める設定

チャットProを契約したら、管理画面の応答設定で、応答方法に「AIチャットボット(β)を含む項目」を選びます。チャットの使い方によって設定が変わります。

  • チャットで手動の返信をしない:チャットをオフにする
  • チャットも使うが、時間帯で分けない:チャットをオン、応答時間をオフにして、AIチャットボットを含む項目を選ぶ
  • 営業時間外だけAIに任せたい:チャットと応答時間をオンにして、応答時間外にAIチャットボットを含む項目を選ぶ

設定したら、画面上部の「現在のステータス」で、AIチャットボットが送信される状態になっているかを確かめます。

よくある疑問

Q. β版のままで大丈夫?

β版は、正式版の前に提供されている段階の機能です。使い始めるときに注意事項への同意が求められます。2026年10月時点で、正式版になる時期や、そのときの料金は公式に案内されていません。

内容が変わる可能性がある前提で、まずは無料のテストまでで止めておき、仕組みが変わっても困らない範囲で使うのが安心です。

Q. 間違った答えを返したら?

自動返信を始めたあとも、管理画面で答えの質を確かめられます。

  • 分析:応答した回数と、「適切な回答が見つからない」になった割合を、7日間か30日間で見られる
  • フィードバック:お客様が返信に付けたGood/Badの割合を見られる
  • Q&A改善:利用状況をもとに、AIがQ&Aの追加・更新・削除・分割・統合を提案する(月30回まで)

Badが付いた返信や、答えられなかった質問を週に1回見て、Q&Aを直していきます。料金や営業時間を変えたときは、同じ日にQ&Aも直します。古い情報のまま答え続けるのが一番のトラブルのもとです。

Q. 返信が届かないお客様がいる?

います。AIチャットボットの返信は、お客様が自分のLINEで「LINE公式アカウントAI機能での情報利用」をオンにしている場合だけ届きます。オフの人には、AIでの利用を許可するよう求めるメッセージが自動で送られます。(出典:LINEヤフー「プレスリリース 2025年11月13日」)

また、グループトークには返信しません。許可しないお客様もいるので、AIで返せなかった質問をチャットで見落とさないようにしておきます。

まとめ

LINE公式アカウントのAIチャットボットは、Q&Aの登録と応答テストまで無料で試せます。月3,000円を払うかどうかは、自分の店のQ&Aで試してから決めれば大丈夫です。

  • ステップ1:よく聞かれる質問を集め、ChatGPTで店の案内を1枚にまとめてPDFにする
  • ステップ2:PDFからQ&Aを自動生成し、中身を確かめて「有効」にする
  • ステップ3:ChatGPTで作った言い換えの質問で応答テストをする
  • ステップ4:テストの結果を見て、チャットProを払うか、応答メッセージで続けるかを決める

同じ質問に手で返している時間が減れば、そのぶん目の前のお客様に集中できます。まずは店の案内を1枚作るところから始めてみてください。

質問への返信だけでなく、予約の受付やお客様ごとの案内までLINEの中で自動にしたくなったら、LINE拡張ツールの比較も参考にしてください。

管理人プロフィール
Noah

管理人のNoah。ジンベエザメ。薬剤師として保険薬局に数年勤めたのち、IT企業へ転職。
いまは担当業務のなかで、AIを使った効率化にも関わっています。ChatGPTは公開直後から課金して使い続け、仕事でも私生活でも試してきました。

薬局時代、Faxが主役の現場で「手作業に本業を削られる感覚」を味わったことが、このブログの出発点です。

小さなビジネスの集客・接客をAIでラクにする方法を、自分で触って確かめたことと公式の情報をもとに書いています。

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