LINE公式アカウントのチャットで、予約の確認や道案内を毎回手で打っている。同じことを書いているのに時間がかかるし、言い回しもその日によってばらばら。
かといって全部を自動の返事にすると、お客様に冷たく感じられそうで踏み切れない、という方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、人が返す返事は「定型文」に登録しておき、チャットで選んで送るのがちょうどいい方法です。返すかどうか、いつ返すかは自分で決めたまま、打つ手間だけを減らせます。
管理人のNoahです。チャットの定型文の機能を、LINEヤフーの公式マニュアルと照らし合わせて整理しました。半分AIの目線から見ると、過去の返事を読み比べて言い回しをそろえる作業は、ChatGPTが得意なところです。
この記事では、予約確認・道案内・お礼などの場面別の例文と、自分の店の定型文の作り方、管理画面での登録と送り方をまとめました。読み終えたら、よく使う返事を定型文に登録して、今日のチャットから使えます。
全体像:定型文と自動の返事の違い
定型文は、チャットでよく送る文章を登録しておき、入力欄から選んで送る機能です。送るのは店の人で、自動では送られません。似た名前の機能と比べると、次のように違います。
| 機能 | 誰が・いつ送るか | 向いている返事 |
|---|---|---|
| 定型文 | 店の人が、チャットで選んで送る | 予約の確認・道案内・お礼など、相手を見て返す返事 |
| 応答メッセージ | 自動。登録したキーワードと同じ言葉が届いたとき | 営業時間など、答えが1つに決まる質問 |
| AIチャットボット | 自動。AIが登録したQ&Aから答える(お客様への返信は有料のチャットPro) | 言い方がばらばらな質問 |
| あいさつメッセージ | 自動。友だち追加の直後 | 店の紹介・友だち追加の特典 |
自動の返事の作り方は、それぞれ自動応答が反応しないときの確認手順、AIチャットボットの使い方、あいさつメッセージの例文にまとめています。この記事は、人が返す返事の話です。
無料プランで使える範囲
定型文は、1つのアカウントで200個まで作れます。小さな店なら、まず足りなくなることはない数です。(出典:LINEヤフー for Business「作成上限数」)
しかも、チャットで送ったメッセージは、月の配信通数に数えられません。無料プランの200通は一斉配信に取っておき、個別の返事は通数を気にせず送れます。(出典:LINEヤフー for Business「アカウント設定」)
通数の数え方はLINE公式アカウントの料金の記事で詳しく扱っています。なお、チャットを使うには、管理画面の応答設定でチャットをオンにしておく必要があります。
定型文が向いている返事
自動にするか定型文にするかは、答えが1つに決まるなら自動、相手を見て返すなら定型文で分けると迷いません。
- 相手のメッセージを読んでから返す:予約の受付。日時が空いているかを確かめてから「承りました」と送る
- 一言添えたい:来店のお礼。その日の様子に合わせて一言足してから送る
- 自動だと誤解が起きる:遅刻やキャンセルの連絡。キーワードに反応して決まった文を返すと、話がかみ合わないことがある
営業時間や駐車場のように、誰に聞かれても同じ答えになる質問は、応答メッセージやよくある質問のページに任せたほうが手間が減ります。
場面別の定型文
小さな店のチャットで、手で返すことが多い場面の例文です。〔 〕の中を自分の店の内容に替えれば、そのまま定型文に登録できます。
どの例文も、日付やお客様の名前を入れずに通じる書き方にしています。1つの定型文を何人にも使うためです(理由はあとの見出しで説明します)。
予約の受付と変更
チャットで予約を受けている店で、一番よく使う返事です。お客様が書いた日時を確かめてから送ります。
【予約受付】 ご予約のご連絡ありがとうございます。 ご希望の日時で承りました。 当日は〔受付でお名前をお伝えください〕。 変更やキャンセルは、〔前日の18時〕までにこのトークでお知らせください。
【予約変更】 日時の変更、承りました。 新しい日時でお待ちしております。
【予約満席】 ご連絡ありがとうございます。 あいにく、ご希望の時間はすでに埋まっております。 空いている時間は〔予約ページのURL〕からご確認いただけます。 ご都合のよい時間をこのトークでお知らせいただいても大丈夫です。
受付の定型文には、変更・キャンセルの締め切りを必ず入れておきます。毎回書く必要がなくなり、伝え忘れも防げます。
道案内と駐車場
初めてのお客様から「場所が分からない」「車で行っても大丈夫?」と届いたときの返事です。来店の直前に届くこともあるので、すぐ送れるようにしておきます。
【道案内】 ご連絡ありがとうございます。 〔〇〇駅の東口〕を出て、〔右へ徒歩5分〕です。 〔青い看板のパン屋さん〕の〔2階〕にあります。 地図はこちらです。 〔GoogleマップのURL〕
【駐車場】 専用の駐車場はございません。 お車の場合は、〔店の向かいのコインパーキング(〇台)〕をご利用ください。
道順は、駅の出口・方向・目印・階の4つがそろうと迷いにくくなります。GoogleマップのURLは、マップで店を開いて「共有」から取れます。
来店のお礼
トークで予約を受けたお客様に、来店した日に送る返事です。次の予約の案内まで1通にまとめます。
【来店お礼】 本日はご来店ありがとうございました。 〔今日から2〜3日は、シャンプーをぬるめのお湯にすると色が長持ちします。〕 次回のご予約は〔予約ページのURL〕、またはこのトークからどうぞ。 またお会いできるのを楽しみにしております。
真ん中の〔 〕には、業種ごとの「帰ってからの一言」を入れます。この一言があると、同じ定型文でも決まり文句に見えにくくなります。
- 美容室:髪の洗い方や、スタイリングのこつ
- 整体・治療院:今日の夜に避けたいこと、家でできるストレッチ
- 飲食店:次の季節のメニューの予定
- 教室:今日の内容の復習のポイント
臨時休業と遅れる連絡
急ぎの連絡ほど、文面を考える余裕がありません。慌てているときに使う返事こそ、先に定型文にしておくと落ち着いて返せます。
【遅刻の連絡への返事】 ご連絡ありがとうございます。 お気をつけてお越しください。 なお、〔15分〕以上遅れる場合は、〔次のご予約の都合で、メニューを短くさせていただく〕ことがあります。
【臨時休業のお知らせ】 大変申し訳ありません。 〔急な事情〕のため、本日は臨時休業とさせていただきます。 ご予約の振り替えをご案内しますので、ご都合のよい日時をこのトークでお知らせください。
臨時休業の定型文は、その日に予約が入っているお客様のトークに1人ずつ送ります。友だち全員に知らせたいときは、チャットではなくメッセージ配信を使います(配信は通数に数えられます)。
自分の店の定型文の作り方
例文で足りない返事は、これまでのチャットから作ります。自分が実際に何度も打っている返事こそ、定型文にする価値があります。
チャット履歴から返事を拾う
管理画面のチャット設定にある「履歴バックアップ」から、直近5年分のチャット履歴をCSVファイルでダウンロードできます。ファイルの作成は1週間に1回までです。(出典:LINEヤフー for Business「チャット設定」)
ダウンロードしたら、Excelやスプレッドシートで開き、店から送った返事だけを読みます。次のような返事が見つかったら、定型文の候補です。
- ほぼ同じ文を、月に何度も打っている
- 毎回少しずつ言い回しが違うが、伝えている中身は同じ
- 書き忘れが多い一文がある(キャンセルの締め切り、持ち物など)
候補は5〜10個も拾えば十分です。全部を一度に定型文にしなくてかまいません。
ChatGPTで定型文にそろえる
拾った返事は、そのままだと日によって言い回しがばらばらです。ChatGPTに渡して、店の口調にそろった定型文にしてもらいます。
貼り付ける前に、必ず1つ手を入れてください。チャット履歴にはお客様の名前・電話番号・住所が入っているので、ChatGPTに貼る前に消すか「〔名前〕」のように置き換えます。
LINE公式アカウントのチャットで使う「定型文」を作ります。下の過去の返事をもとに、場面ごとの定型文にしてください。 【店の情報】 ・業種:〔1人で営業している整体院〕 ・口調:〔ていねいだけど堅すぎない。「です・ます」〕 ・変更・キャンセルの締め切り:〔前日の18時〕 【過去の返事(名前や電話番号は消してあります)】 〔ここに拾った返事を貼る〕 【お願い】 1. 同じ用件の返事をまとめ、場面ごとに1つの定型文にする 2. 先頭に【予約受付】のような場面名を付ける 3. 日付・時間・お客様の名前は入れない(「ご希望の日時」などで通じる書き方にする) 4. 店ごとに変わる内容は〔 〕で残す 5. 1つの定型文は200字くらいまで。用件は1つだけ 6. 過去の返事にない約束(割引・無料など)は足さない
返ってきた定型文は、締め切りや料金など店の決まりと合っているかを自分で確かめてから登録します。
日時や名前を入れない書き方
定型文は、何人ものお客様に同じ文を使います。日時や名前のように毎回変わるものを入れると、送るたびに直す手間が戻ってきます。直し忘れて、別のお客様の日時を送ってしまう心配もあります。
- 日時:「ご希望の日時で承りました」「新しい日時でお待ちしております」と、お客様が書いた日時を指す
- 名前:入れない。呼びかけたいときは、定型文の前に「〇〇様、ご連絡ありがとうございます」と手で一言送る
- 店の決まり:締め切りや営業時間は入れてよい。変わったら定型文も直す
公式マニュアルでは、定型文にお客様の名前を自動で入れる機能は説明されていません。名前に頼らない書き方にしておけば、どの場面でもそのまま送れます。
管理画面での登録と送り方
定型文ができたら、管理画面に登録してチャットから送ります。登録は一度だけで、あとは選んで送るだけです。
定型文を登録する
管理画面のチャットを開き、チャット設定の「定型文」に進みます。この画面では、定型文の新規作成、作った定型文の一覧(編集・削除)、検索ができます。(出典:LINEヤフー for Business「チャット設定」)
- 新規作成を押す
- 例文やChatGPTで作った文を貼り付け、〔 〕を自分の店の内容に替える
- 保存する
本文の先頭に【予約受付】【道案内】のような場面名を入れておくと、数が増えても検索ですぐ見つかります。スマホの管理アプリでも、チャット設定から定型文を作って管理できます。
チャットから送る
Web版では、チャット画面の入力欄にあるアイコンから「定型文」を選び、送りたいものを選ぶとプレビューが出ます。中身を確かめて送信します。スマホの管理アプリでも、入力欄から定型文を選んで送れます。(出典:LINEヤフー for Business「チャット」)
同じアイコンから、作ってあるクーポンやカードタイプメッセージも送れます。予約のお礼にクーポンを添えるような使い方もできます。
前日の確認は予約して送る
チャットのメッセージは、送る日時を予約できます。予約の前日に確認の連絡を入れたいときに便利です。
- Web版:メッセージを入力し、送信ボタンの横の「V」を押して「送信日時を指定」→「設定」
- スマホの管理アプリ:メッセージを入力し、送信ボタンを長押しして日時を指定→「設定」
【前日の確認】 明日のご予約、お待ちしております。 ご都合が悪くなった場合は、このトークでお知らせください。
予約できるのは同時に50件までで、送信前ならチャット設定の「予約メッセージ」から直したり消したりできます。混み具合によって、指定した時刻ちょうどに届かないこともあります。
気をつけたいのは、応答設定のチャットです。チャットをオフにしていると、予約したメッセージは送られません。休みの日にチャットを切る運用をしている店は、予約した日だけはオンのままにしておきます。
よくある疑問
Q. 何個くらい作ればいい?
最初は、この記事の場面から自分の店で使うものを選んで、5〜8個から始めれば十分です。上限は200個あるので、足りなくなる心配はありません。
その後は、同じ返事を何度か手で打ったと気づいたときに1つ足す、くらいの増やし方で回ります。
Q. 定型文だと冷たく見えない?
お客様からは、手で打った返事と定型文の区別はつきません。気になるなら、定型文の前か後に一言だけ手で添えます。
- 「雨の中、ご連絡ありがとうございます」
- 「前回のカラー、その後いかがですか」
- 「お久しぶりです。またお会いできてうれしいです」
決まった部分は定型文に任せ、相手に合わせる部分だけ自分で書く。この分け方なら、速さと温かさを両方保てます。
Q. 応答メッセージにしたほうが楽?
答えが1つに決まる質問なら、応答メッセージのほうが楽です。届いた瞬間に自動で返るので、店の人は何もしなくて済みます。
ただし応答メッセージは、登録したキーワードと同じ言葉が届いたときだけ返ります。予約の受付のように、空きを確かめてから返す返事には向きません。両方を使い分けるのが現実的です。
まとめ
定型文は、人が返す返事の「打つ手間」だけを減らす機能です。無料で200個まで作れて、チャットの返事は通数にも数えられません。
- 使い分け:答えが1つなら自動の返事、相手を見て返すなら定型文
- 例文:予約の受付・道案内・来店のお礼・遅刻や臨時休業の返事から始める
- 自分の店の分:チャット履歴のCSVから何度も打っている返事を拾い、名前などを消してからChatGPTでそろえる
- 書き方:日時や名前は入れず、「ご希望の日時」のように書く
- 送り方:入力欄のアイコンから選んで送る。前日の確認は日時を予約して送る
ぼくのおすすめは、まず【予約受付】の1つだけ登録して、今日のチャットで使ってみることです。一度使うと、ほかに定型文にしたい返事がすぐ見えてきます。
同じ質問が何度も届くようなら、公式LINEのよくある質問の作り方で、聞かれる前に答えを見せる方法も試してみてください。


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