こんにちは、Noahです。
業務効率化からコンテンツ制作、学習支援まで──ChatGPTをただ使うだけではもったいない!
本記事では、手軽なプロンプト設定からレベル別カスタマイズまで1つずつ解説していきます
あなたの目的に最適化されたChatGPTを今すぐ手に入れましょう~
ChatGPTのカスタマイズとは?
ChatGPTのカスタマイズは、標準の対話モデルにユーザー自身の目的や業務フローに合わせた設定を加えることで、より最適化された解答を得る方法です
そのままのChatGPTでは背景や状況などが共有されていないため、質問やタスクに対して汎用的な回答になりがちです
カスタマイズすることで
- 時間の効率アップ
⇒繰り返し作業を少ないステップで完了 - ヒューマンエラーのリスクヘッジ
⇒情報の伝え漏れが出ない
など業務効率化や解答の質向上につながります
ルーチンワークや業務上のルールなど繰り返し作業で使う場合に重宝するでしょう
レベル別カスタマイズ解説
ChatGPTにはカスタマイズする方法がいくつかあります
難易度レベル別にまとめてみました
レベル①:チャット開始時に指定するプロンプト
チャット開始時のプロンプトを工夫するだけで、そのあと続く対話のテーマやトーンなどもコントロールできます
たとえば冒頭で「あなたは経験豊富なマーケティングコンサルタントとして振る舞ってください」と指定することで、専門家視点の回答を引き出せます
注意点としては
- 1つのチャットの中でしか設定できない(他チャットで共有されない)
- 対話のラリーが長くなると設定が抜けやすくなる
- 設定が多すぎると抜けやすくなる
などがあります
AIに伝わりやすいプロンプトは”文章だけ”ではなく、”整理された情報”として作ることが必要です
実は公式OpenAIにはプロンプトを自動で作成する機能を使うことができることをご存知でしょうか?
私も使っているOpenAI Prompt Generatorから効率的にプロンプトを作成する方法をご紹介します
プロンプトジェネレーターの使い方(2025.7時点:この機能に追加料金はかかりません。)
- 公式openai platformにサインイン
(ChatGPTアカウントでサインインできます) - ログイン後、ページ上部”Playground”をクリック
- 左側サイドバーのpromptsが選択されていることを確認し、画面中央辺りからキラキラマークをクリック。
作成するプロンプトの内容を入力して緑色のCreateをクリック⇒Generateと表示されたら少し待ちます - すぐ下の枠にプロンプトが生成されます
出力されたプロンプトを見てわかるように”構造化”と”リスト化”が上手くaiに伝わるポイントです
生成事例(クリックで閉じたり開いたりできます)
【プロンプト自動生成タスク】
ユーザーから与えられたタスク説明や現行プロンプトを基に、AIシステムへ指示・制限・出力形式・例示などを包括する、詳細かつ実用的なシステムプロンプトを日本語で自動生成してください。
追加指示:
- 目的・目標・出力例・フォーマット・制約(入力言語、出力形式など)が明確となるよう、必要な詳細情報や指示を補います。
- 現行プロンプトがある場合、なるべくその構造を保持したまま明確化・ブラッシュアップし、抜けている説明や例示を自然に補います。
- 問題解決に複数の推論ステップが必要なら、「推論→結論」の順に説明・出力させるようガイドラインを含めます(例示も記載)。
- 結論・分類結果などは必ず最後にまとめさせてください。
- 必要に応じて高品質な例示(形式、長さ、構成)を出力例として含めてください。
- 例示には実際の用途に合わせたプレースホルダー([タスク説明], [入力文], [出力対象], など)を活用してください。
- 出力は見やすく、順序性/体系性が意識されたマークダウンやJSON、指示する形式にまとめさせてください。
- 出力フォーマットは必ず明記し、実際に組み込む時の参考となるよう詳細に指定します。
- 特殊な条件や注意点があれば明確に強調してください(例: 留意点や制約、どのような応用が前提か、など)。
例:
【入力例】
タスク:文章分類用プロンプト
要件:日本語の説明文を、(1)製品説明、(2)サービス概要、(3)その他 の三分類するプロンプトを生成
【出力例】
プロンプト指示(例)
与えられた日本語の説明文について、
- 先に内容・キーワードを根拠とする簡潔な推論を必ず記載し、
- 最後に(1)製品説明、(2)サービス概要、(3)その他 から最も当てはまる分類を1つだけ選んで日本語で記述してください。
出力形式:
Markdownで
- reasoning(推論)
- 結論(分類名:1, 2, 3)
の順で明示
出力例:
- reasoning: 「説明文に商品の特徴や仕様が記載されており、サービス内容の記述がないため製品説明と判断」
- 結論: 1
(※ 実際のタスクでは対象の例文・分類名などを[]で指定)
重要事項:
- 推論→結論 の順序で出力
- 指定した分類名・順序・出力形式を守る
- 日本語で記述
【重要事項(繰り返し)】
ユーザーからのタスク説明や現行プロンプトをもとに、推論→結論順の丁寧な手順と明確な出力仕様を備えたシステムプロンプトとして出力してください。
出力形式・例示等も明記し、実際のシステム組込に適したプロンプトになるように構成してください。
出力されたプロンプトをさらに修正することでより自分好みのカスタマイズができます
また情報が整理されることでよりインプットのブラッシュアップも期待できます
レベル②:My GPT を作成する(GPTs)
自分専用のチャットインターフェースを持つ“GPT”を作成できてこれらを通称して”GPTs”といいます
my gptsを作成すると、システムメッセージや例示、アイコンを登録し、チームで共有できるため、運用を標準化しやすくなります
注意:無料プランでは作成できません。他ユーザーが作成したGPTsを使うことはできます
(他ユーザー作成のGPTsを使う方法はこちら)
マイGPT作成方法
- まず、GPTを作成するには通常通りアクセスし、「GPT」をクリック
- 画面右上にある「+作成」ボタンをクリック
- 画面左側には「作成する」と「構成」という2つのタブが表示されます
画面右側にはプレビューが表示され、作成中のGPTの回答を確認しながら作成できます


🛠 作成タブについて
「作成」タブでは、GPTビルダー(AIアシスタント)と会話しながらマイGPTを作ることができます。
⚙️ 設定タブについて
「設定」タブでは、
- GPTの名前と説明をつける
- GPTにできること(例:ウェブ検索・画像生成など)を設定
- GPTにあらかじめ伝えておく指示や会話の出だしを入力
などができます
設定タブは作成タブでAIアシスタントと会話するたびに自動入力されていきます
実際にデモ的にGPTを作成したいと思います
試しに”FAQ自動作成GPT”を作成してみる
Hi! I’ll help you build a new GPT. You can say something like, “make a creative who helps generate visuals for new products” or “make a software engineer who helps format my code.”
What would you like to make?
会話スタートは英語ですがただ”何がつくりたい?”と聞いてきているだけなのでスタートは何でもよいです
FAQ自動作成GPTを作りたい
このGPTの名前として、FAQ 自動生成アシスタント を提案します。シンプルで機能がすぐに伝わる名前です。
この名前でよろしいですか?それとも別の名前にしたいですか?
良いです
プロフィール画像を設定しました。このスタイルは気に入りましたか?変更したい場合は、別のスタイルや要素を指定してください。
必ずプロフィール画像の設定が最初に入りますが好きなものを生成してもらいましょう
気に入りました
よかったです!それでは次に、このGPTがFAQを作成する際に「特に気をつけるべきこと」や「避けたいこと」はありますか?たとえば、「専門用語は避けたい」「長すぎる回答はNG」など、重視したい点を教えてください。
一般ユーザー向けのFAQにしたいので専門用語は避けたい。回答はシンプルに補足情報をあとから追加する構成にします
了解しました!FAQは一般ユーザーにも分かりやすいように専門用語を避け、シンプルな回答+補足形式で構成するようにします。
次に、どんな口調で話すのが理想ですか?たとえば「カジュアルで親しみやすい感じ」か「丁寧でフォーマル」か、それとも業界特有の雰囲気などありますか?
丁寧でフォーマル
設定がすべて整いました!右側のプレビューで FAQ 自動生成アシスタント を試してみてください。もし調整したい点があれば、いつでもお知らせください。どんな情報からFAQを作ってみたいですか?
ここまでですでにカスタマイズされたGPTが完成です
試しに完成したカスタマイズGPTを使ってみましょう

サクッと作ったわりにイイ感じのGPTができました!
作成途中でモデルを変更して試すこともできます
完成したら左上の”作成する”をクリックして公開範囲を設定して完了です
完成したGPTの中身
作成された構成は次のようになっています(コピーすることで同じような設定を引き継いだGPTを作成することも可能です)


”指示”の部分はいわゆるプロンプトにあたります
共有しておきますので参考にするなりご自由にお使いください
FAQカスタムGPTプロンプト(クリックして展開)
このGPTは、ユーザーから提供された情報(会話ログ、製品情報、仕様書、社内マニュアルなど)を元に、FAQ(よくある質問)を自動的に作成する。質問と回答のペアを論理的・明確に構成し、対象のユーザー層(顧客、社内スタッフ、サポート担当者など)に合わせた言葉遣いと内容に調整する。入力が曖昧な場合は、FAQ対象や想定読者について確認し、明確な情報があれば自動的に分類・抽出を行う。出力形式はリスト形式またはMarkdown、HTML、CSV形式などユーザーの希望に応じて柔軟に対応する。FAQとして適切でない情報(主観的すぎる、誤解を招く、繰り返しすぎるなど)は整理・統合・改善する。
ユーザーが特定の質問例やテンプレートを希望する場合、業界標準や事例に基づいた提案も行う。回答は簡潔かつ正確にし、必要に応じて表や箇条書きでわかりやすくまとめる。ユーザーの用途(例:社内ナレッジ、ECサイト、ソフトウェアマニュアルなど)に応じて調整し、明確化のために適宜補足説明を加える。
FAQは一般ユーザー向けに作成されることを前提とし、専門用語の使用は避ける。回答はシンプルかつ明瞭で、必要に応じて補足情報を後半に追記する形式とする。口調は丁寧でフォーマルとし、信頼感を重視する表現を用いる。
適宜、「どのような読者を想定していますか?」「FAQの掲載先(ウェブサイト、印刷物など)は?」「回答のトーンはカジュアル/フォーマルのどちらにしますか?」などの確認も行う。ユーザーが曖昧な指示をした場合は、判断して適切な案を提示する。
他ユーザーが公開したgptsを使う方法
- GPTストアから使う
⇒GPT作成の1つ手前の画面から公開されたGPTにアクセス - リンクを共有してもらう
⇒作成したGPTはリンクを共有してもらえばアクセス可能
レベル③:(ざっくり)APIを使ったより高度なカスタマイズ
APIを利用すると、外部データ連携や自動実行のより細かい設定が可能になり、シチュエーションに合わせた高度なカスタマイズが行えます
API(エーピーアイ)とは、アプリやサービス同士がやりとりするための「ルール」や「橋渡し役」のことです。
APIを使うと他のサービスの機能を自分のアプリやツールから使えるようになります。
内容としてはかなり専門的な内容となってきます
詳細については割愛しますが、気になる方はAI業務に携わるエンジニアなど専門家に相談をおすすめします
イメージはGPTsの上位版です(スマホアプリで使えるようにしたり参照するデータを細かく設定できたり)
プロンプト設計のベストプラクティス
ここまででプロンプトの設定である程度カスタマイズ可能であるとわかっていただけたかと思います
プロンプトは適切に設計することでより望ましい情報のアウトプットを期待できます
公式openaiの開発者向けの情報によると効果的なプロンプト設計のポイントとして
- 指示は冒頭に書く:
“Put instructions at the beginning of the prompt…”
→ 指示をプロンプトの最初に書き、必要な条件など補足情報を###や”””でリスト化し文脈と区切る - 具体的・詳細に書く:
“Be specific, descriptive and as detailed as possible…”
→ 背景、目的、必要な情報量、形式、スタイルなどを明確に伝える - 出力例を示す:
“Articulate the desired output format through examples.”
→ 期待する出力形式は例示で示す - 曖昧な表現を避ける:
“Reduce ‘fluffy’ and imprecise descriptions.”
→ 「わかりやすく」など抽象的な表現は避け、「3文以内で」など具体的に - 否定ではなく肯定で指示:
“Instead of just saying what not to do, say what to do instead.”
→ 「こうするな」より「こうしてください」と肯定的に伝える
など
最初は慣れないかもしれませんが繰り返し考えることで少しずつ慣れていきましょう
補足:
これからのAIスキルは「プロンプト」ではなく「コンテキスト・エンジニアリング」が重要視されつつあるようです
簡単にいうと
プロンプトにはある程度限界があって、AIに提供する情報の質や量を調整した方が望ましい回答が得られやすいよ
ってことがわかってきたようです
(さきほどのAPIを使ったカスタマイズに近いイメージです)
そのため、プロンプトにこだわりすぎると時間がかかって効率が下がるという本末転倒な結果になりかねません、、
アウトプットがイマイチなときは、インプットする情報自体を一度見直した方がよいかもしれません
具体例なカスタマイズの活用シチュエーション
📝 Word(文書作成)
- 提案書・報告書のテンプレート自動生成
- マニュアル・手順書の整形支援
- 社内文書の敬語・トーン調整
📊 Excel(表計算・分析)
- 関数の自動生成・解説
- データ集計・分析方法の提案
- グラフ作成手順の案内
📧 Outlook(メール)
- 丁寧な返信メールの自動作成
- 英文メールの翻訳とビジネス文調変換
- 件名・本文テンプレートの提案
📽 PowerPoint(スライド)
- スライド構成案の自動提案
- 見出しや箇条書きの要約支援
- 図解・チャート説明文の作成
これらの事例を参考に、自社や自身の課題解決につながるカスタマイズ方法を見つけてください。
カスタマイズ方法まとめ

ChatGPTを使ったカスタマイズ方法について解説してきましたがザックリ振り返っていきます
- ChatGPTカスタマイズの意義
標準のChatGPTでは背景や目的が共有されず、汎用的な回答にとどまりがち。「システムプロンプト(会話の出だし)」や「My GPT」「API連携」などの設定を加えることで、- 時間効率の向上(ワンステップでルーチン作業を完了)
- ヒューマンエラーの防止(情報伝達の抜け漏れ削減)
など、業務効率化とアウトプットの質向上が実現できます。
- レベル①:チャット開始時プロンプトの工夫
最も手軽なのが、会話冒頭でのプロンプト指定。- 「あなたは◯◯の専門家です」と設定する
- 文章+リストや箇条書きで“構造化”して伝える
- 公式のPrompt Generator機能で自動生成も可能
- レベル②:My GPT(GPTs)の作成
チームで共有できる独自チャットインターフェースを作成- システムメッセージ、例示、アイコン設定で運用を標準化
- 無料プランでは作成不可
- 実際の対話形式で「FAQ自動生成アシスタント」を解説
- レベル③:API連携による高度カスタマイズ
外部データ連携や自動実行など、より専門的・自動化された設定が可能に。- スマホアプリ化、参照データの細かな指定など
- 「コンテキスト・エンジニアリング」の観点でインプット情報の質を高める
- プロンプト設計のベストプラクティス
- 指示は冒頭に&###や“`で文脈と区切る
- 具体的かつ詳細に記述(形式・スタイルも明確に)
- 出力例を示して期待形式を共有
- 抽象的表現は避け、「3文以内」など数値で指定
- 否定ではなく肯定で指示
- 活用シーン例
- Word:提案書・手順書の自動生成、敬語調整
- Excel:関数解説、集計・分析手法提案
- Outlook:ビジネスメール自動作成・翻訳
- PowerPoint:スライド構成案、図解説明文作成
自分の目的に合ったGPTをカスタマイズしてさらに効率的な生活を目指しましょう!
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