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こんにちは、非エンジニア出身で実際に業務でAI・データ分析を活用してきたNoahです
「AIエンジニアって憧れるけど、どこから勉強していいのかわからない」
「仕事で機械学習を使っているけれど、体系的な知識がない」
AIを仕事に生かしたいと思う方には、このような悩みを抱えていえる方も多いかと思います
そんな不安を感じている方にとって、E資格は、自分のスキルを客観的に示せるだけでなく、学習のステップアップにも有意義な資格であることはご存じでしょうか?
近年話題のE資格はディープラーニングの理論と実装力を測る民間資格で、AIエンジニアを志す人の登竜門のような存在です
この記事では、
について未経験者向けの内容でお伝えします
資格の概要(どんな資格?)
E資格の正式名称は「JDLA Deep Learning for Engineer」
日本ディープラーニング協会(JDLA)が2018年から実施している比較的新しい試験で、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法で実装できる能力を持つエンジニアを認定するための資格です
E資格の「E」はEngineer(エンジニア)の略であり、同協会が実施するビジネス向け資格「G検定」とは役割が違います
G検定がAI・ディープラーニングの基礎知識や事業活用の理解を問うジェネラリスト向け試験であるのに対し、E資格は数学的理論や実装力まで問われるエンジニア向けの試験です
未経験の場合は、将来的にエンジニアを目指している方にオススメの資格かと思います
試験の実施概要
- 受験資格:
E資格を受験するにはJDLAが認定する講座(認定プログラム)を試験日の過去2年以内に修了している必要があります
この講座ではディープラーニングの基礎から実装までを学び、修了証が発行されます
なぜJDLA認定プログラムの受講が必要なのですか?
JDLAでは体系的に理論を理解したうえで実装できる人材に資格を付与したいと考えております。
しかしながら、数時間程度の試験だけではディープラーニングの実装スキルを計ることは困難ですので、それをJDLA認定プログラムの演習で担保する形としております。
引用:一般社団法人日本ディープラーニング協会/よくある質問
- 試験形式:
120分で約100問の多肢選択式(4択)問題に答えるコンピュータ試験(CBT) - 試験日程:
年2回(通常2月と8月)に開催 - 出題範囲:
- 応用数学(確率・統計・情報理論)
- 機械学習
- 深層学習(基礎・応用)
- 開発・運用環境(エッジコンピューティングや分散処理など)
から出題されます
- 受験料:
- 一般33,000円*
- 学生22,000円*
- JDLA会員27,500円*税込
認定プログラムの受講料が別途かかり、講座によっては数万円〜数十万円の費用が必要
⇒”受験資格”の「JDLA認定プログラム」を指します
E資格はいわゆる民間資格ですが、ディープラーニングを業務で使う人材のスキル証明として企業からも注目されています
試験開始から数年で受験者数は1回あたり1,000人前後まで増え、AI業界では「技術者向けの基準資格」として認知度が高まっています
難易度・合格率
合格率は高めだが油断は禁物
JDLAが公開している統計データによると、E資格の合格率はおおむね70%前後で推移しています
*「2025年 第1回 E資格(エンジニア資格)」結果発表データをもとに作成

合格率だけ見ると「簡単そう」に感じるかもしれませんが、これは受験者のほとんどが認定プログラムでしっかり勉強した技術者であることが大きな要因と考えられます
過去問が今のところ公開されておらず、出題範囲も広く難易度が高いため、初心者が独学だけで挑むのは簡単ではありません
難しいと言われる理由
- 専門性が高い:
ディープラーニングの数学的理論や実装力まで問われるため、大学レベルの線形代数や統計の理解が前提となります
ニューラルネットワークの基本だけでなく、再帰型ネットワークや強化学習など発展的な内容も含まれています - シラバス改定が頻繁:
1〜2年ごとにシラバスが改定され、新しい技術やフレームワークが追加されます
2022年第2回からはディープラーニングの主要なフレームワーク(PyTorch/TensorFlowなど)の実装が組み込まれ、2024年第2回からは基礎研究に近い内容も増えました
⇒「理論を知っている」だけでなく、「実装できるか」も重視されるように - 過去問が非公開:
E資格では公式の過去問が公表されないため、試験内容の予測が難しく、認定プログラムの教材や市販の問題集に頼る必要があります - 受験者のレベルが高い:
受験者には機械学習やデータサイエンスの実務経験者が多く、合格率が高いのはその母集団のレベルが高いためです
一部では「大学受験の難関私大レベル」「応用情報技術者試験より難しい」という声もあるようです
勉強法とスケジュールの目安
ただ、受験している方のうち7割程度が合格していることも事実で、傾向と対策をしっかり行うことで合格を目指すことが可能です
では実際にどのような勉強法で進めていけばよいのか確認していきます
認定プログラムで基礎を固める
E資格の受験にはJDLA認定プログラムの修了が必須です
認定プログラムでは数学・機械学習・深層学習の基礎から実践まで体系的に学べるだけでなく、講師に質問できるサポートがあるため、忙しい社会人でもスキマ時間にスケジュールを組むことで効率的に学習できます
受講自体が試験対策となるので、まずは自分に合った講座を選びましょう
実際にJDLAホームページで認定プログラムを紹介していますが、講座を提供しているサービスごとに価格や特徴が異なりますので、あらかじめしっかり調べたうえで選ぶことがオススメです
自己学習のすすめ
認定プログラム修了後も自分で復習する時間が欠かせません
一般的に100〜300時間程度の勉強時間が必要と言われています
人によって適切な勉強時間は変わってきますので、仕事や家庭と両立するためには早めにスケジュールを組むことが大切です。
効率的な学習には以下のポイントが役立ちます:
- 教材を繰り返し解く:
JDLA認定プログラムで配布される想定問題や市販の問題集を繰り返し解いて、頻出ポイントを押さえる - フレームワークに慣れる:
試験ではAIを作るためのプログラム(PyTorchまたはTensorFlowのような)を使った実装力が問われるので、基礎的な使い方を習得しておく - 数学の復習:
確率・統計や線形代数など、ディープラーニングの土台となる数学分野を復習しておく - ペース配分:
仕事や家庭が忙しい場合でも、週3〜4日・1日1〜2時間といったペースで習慣的に学習時間を確保する
少なくとも試験日の約3か月以上前から本格的に勉強を始めることがおすすめ
基本的に教材は「これ1つですべてOK」というものではなく、自分の弱点に合わせて複数組み合わせるのがおすすめです
また、認定プログラムによっては講師に質問できるチャットサポートや模擬試験がついているので、積極的に活用していくことでより合格に近づくことができるでしょう
資格が役立つ場面(転職/現場での価値)
AIエンジニア・データサイエンティストに必須の実装力
E資格は単なる知識試験ではなく、ディープラーニングの実装力を証明できる数少ない資格です
試験勉強を通してプログラムを書く経験が積めるため、取得後はAIエンジニアやデータサイエンティストとして仕事の幅が広がります
まずAIエンジニアはデータの前処理からモデル開発まで担う役割で、機械学習や深層学習の実装スキルが求められますし、データサイエンティストはビジネス課題をデータで解決する職種であり、機械学習やディープラーニングの実装力が重要です
こうした職種ではE資格保持者が優遇される求人も公開されています
企業内評価とキャリアアップ
会社によっては資格取得を評価項目にしているところもあり、E資格を持つことでAI関連プロジェクトに参画するチャンスが増えたり、資格手当が支給されたりするケースも考えられます
ディープラーニング分野は今後も成長が見込まれ、IDC(International Data Corporation)の情報によれば2024年の国内AIシステム市場は前年比56.5%増の1兆3,412億円に達し、2029年まで年平均25.6%で成長、市場規模が3.1倍の4兆1,873億円になると予測しています。
こうした需要の高まりとともに、資格を持つことは転職市場での大きなアピール材料になります
合格者専用コミュニティへの参加
E資格に合格すると、JDLAが運営するAIコミュニティ「CDLE」に参加できます
合格者コミュニティ「CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)」とは
G検定・E資格の合格者のみが参加できる、9万人を超える日本最大級のAIコミュニティです。
ディープラーニングの社会実装の日本代表として、社会を発展させるエバンジェリストたちが集まり、学び合い・アウトプットする場を提供しています。
「CDLE」では、コミュニティサイト(β版)や、Slack、イベントなどを通じて、日常的に様々な情報交換や交流が行われています。
引用:一般社団法人日本ディープラーニング協会/合格者コミュニティ「CDLE」について
CDLEは業界最大級のコミュニティで、合格者同士が交流や情報交換を行っており、最新トレンドを知ったり仲間を見つけたりすることでモチベーションアップにつながります
学習仲間ができると挫折しにくくなる点も大きなメリットです。
まとめ
E資格は、ディープラーニングの理論と実装力を備えたエンジニアを認定する民間資格です
受験には認定プログラムの受講が必須で、試験は年2回・120分で実施されます
合格率は約70%と高めですが、受験者は認定講座で訓練を受けたエンジニアが中心であり、試験内容は数学・機械学習・深層学習・開発環境まで幅広く、十分な勉強時間と認定プログラムでの学習が欠かせません
資格を取ること自体が目的ではなく、ディープラーニングを使って価値を生み出す力を身につけることが重要です
E資格の勉強を通じて得た知識やスキルは、AIエンジニアやデータサイエンティストとしてのキャリアアップに直結します
また、転職や社内評価に活かせるだけでなく、同じ志を持つ仲間とつながるコミュニティに参加できるのも魅力です
「難しそうだから自分には無理かも」と尻込みしている人もいるかもしれませんが、認定プログラムで基礎から学び、コツコツ取り組めば未経験からでも合格は十分可能かと思います!
継続して努力できる環境を整えていきましょう!
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