問い合わせ対応を自動化する方法|LINEから始める4つのチャネル

AI接客

1件1件の問い合わせに追われて、本来やりたい仕事に手が回らない。

しかも同じ質問に、同じ文章で何度も返している——という方は少なくないはずです。

管理人のNoahです。さまざまな業務のAI活用を検証してきましたが、問い合わせ対応は「全部」ではなく「繰り返しの部分だけ」を任せるのが現実的です。

この記事では、自動化できるチャネルを比べたうえで、無料で今日から始められる手順まで整理します。

自動化とは「一次受付だけを切り出す」こと

問い合わせ対応の自動化とは、人が1件ずつ返していた対応の一部を、仕組みに任せることです。

すべてを無人化するわけではありません。繰り返しの多い「一次受付」や「よくある質問」だけを切り出すのが基本です。

自動化に向いているもの・向いていないものは、はっきり分かれます。

  • 向いている:営業時間、料金、アクセス、予約方法、持ち物、キャンセル規定
  • 向いていない:個別の見積もり、クレーム、込み入った相談、例外対応の判断

返信の速さは、思っている以上に評価に直結します。

カスタマーサポートへ不満を申し出た消費者への調査では、初期対応「1時間以内」を理想とする回答が4割にのぼりました(出典:Web担当者Forum「サポートへの問い合わせ、約4割が『1時間以内』の初期対応を希望」(ラクス調べ))。

1人で営業しながら、1時間以内の返信を保ち続けるのは現実的ではありません。一次受付だけでも自動で返せれば、この期待に応えられます。

どのチャネルから始めるか

自動化できる窓口は4つあります。全部やる必要はなく、一番問い合わせが多い窓口から始めます。

チャネル費用手間向いている商売
メール・問い合わせフォーム無料から小見積もりや相談が中心。法人が相手
SNSのDM(Instagram・Facebook)無料小写真で選ばれる商材。20〜40代が中心
LINE公式アカウント無料から小予約やリピートが売上の柱
電話(自動音声応答/IVR)有料が中心大電話予約が主な受付経路

選ぶ基準はひとつで、お客様がすでに使っている窓口から手をつけることです。

新しい窓口を作っても、お客様がそこに来なければ意味がありません。いま実際に問い合わせが届いている場所を選びます。

💡 ChatGPT活用Tips

どの窓口が多いか分からないときは、ChatGPTに「過去1週間で受けた問い合わせの内容」を箇条書きで貼り付けて、「LINE・電話・メールのどれが多いか分類して、多い順に並べて」と頼んでみてください。記憶に頼らず、実際の傾向を見てから決められます。

導入の4ステップ

①洗い出すよく来る質問 ②決める任せる範囲 ③設定する応答メッセージ ④調整するずれを直す
問い合わせ対応を自動化する4つのステップ

①よく来る質問を洗い出す

まず、実際に届いている質問を書き出します。

思い出しながら書くより、過去2週間のトーク履歴やメールをさかのぼるほうが正確です。

目標は10個ほど。同じ質問が2回以上来ていれば、自動化する価値があります。

②任せる範囲を決める

洗い出した質問を、2つに振り分けます。

  • 自動で返すもの:答えが毎回同じになる質問
  • 人が返すもの:相手や状況で答えが変わる質問

迷ったら人が返す側に入れておきます。自動化の範囲を広げすぎると、かえって不満につながります。

このとき、「担当者からご連絡します」と伝える一文も用意しておきましょう。自動で答えられない質問が来たときの逃げ道になります。

③設定する

画面はチャネルごとに違いますが、用意するものは共通です。

  • 営業時間外に届いたときの、受付を知らせる文面
  • よくある質問への、決まった答え
  • 自動で答えられないときの、人へ引き継ぐ案内文

チャネルごとの具体的な設定は、このあとの「チャネル別:実際に作れる自動化」でまとめて紹介します。

どれも無料または低価格から試せる範囲があります。最初から有料ツールを契約する必要はありません。

回答文に迷ったら、ChatGPTに「〇〇(業種)のよくある質問を10個と、その回答例を作って」と頼むとたたき台がまとめて手に入ります。

④反応を見て調整する

設定して終わりにしないでください。

登録した語句に反応させる方式(LINEのキーワード応答、Gmailのフィルタなど)でつまずきやすいのが、お客様の言い回しが登録した語句と合わないケースです。

たとえば「料金」で登録していても、次のような聞かれ方には反応しません。

  • 「いくらですか」
  • 「おいくらでしょう」
  • 「予算どのくらい見ておけば」

対策はシンプルで、実際に届いた言い回しをキーワードに足していくことです。月に1回、自動で返せなかった質問を見直すだけでも精度が上がります。

キーワード応答では追いつかなくなったら、拡張ツール4つの比較で次の段階を検討できます。料金はLINE公式アカウントとの合算で見るのがコツです。

チャネル別:実際に作れる自動化

ステップ③で設定する中身を、チャネルごとに具体的に紹介します。使っている窓口のところだけ読めば十分です。

メール・問い合わせフォーム

  • フォーム送信直後の受付メール:Googleフォームなら、設定の「回答のコピーを回答者に送信」をオンにすると、送った内容の控えが自動で届きます(メールアドレスの収集をオンにしておく必要があります)。文面を自由に書きたい場合は、自動返信メールの文面を編集できるフォームツールを選びます
  • 特定の問い合わせへの定型返信:Gmailでは、よくある回答を「テンプレート」として保存し、フィルタの「テンプレートを送信」を選ぶと、条件に合うメールに自動で返信できます。たとえば件名に「料金」を含むメールに、料金表の案内を返す使い方です
  • 休業日の自動返信:Gmailの「不在通知」は、開始日と終了日を決めて自動返信できます。毎日の営業時間外ではなく、定休日や連休・臨時休業の案内に向いています

(出典:Gmail ヘルプ「Gmail でテンプレートを作成する」/「不在時に自動返信を送信する」)

Instagram・Facebook

Meta Business Suiteの受信箱にある「自動化」から設定します。InstagramとFacebookのメッセージを同じ画面でまとめて扱えます。先にInstagramをプロアカウント(ビジネス)へ切り替え、Facebookページと連携しておいてください。

  • 初めて連絡してきた人への自動返信:「メッセージありがとうございます。営業時間・料金はこちら」のように、最初の案内を自動で返せます
  • 特定の内容への自動返信:「予約」「料金」など、問い合わせの内容に合わせた答えを返せます
  • 退席中メッセージ:対応できない時間に「〇時以降に返信します」と知らせます

(出典:Meta Blueprint「Meta Business Suiteの受信箱を利用してメッセージを自動化する」)

LINE公式アカウント

管理画面の「設定」>「応答設定」から設定します。

  • あいさつメッセージ:友だち追加された直後に自動で送られます。営業時間や予約方法をここで伝えておくと、同じ質問が減ります
  • キーワード応答:登録した言葉と完全に一致するメッセージが届いたときに、決まった答えを返します。リッチメニューのボタンに同じ言葉を割り当てておくと、お客様はボタンを押すだけで答えを受け取れます
  • 応答時間外の自動返信:応答時間(営業時間)を設定すると、時間外だけ自動の返信に切り替えられます

あいさつメッセージと応答メッセージは、月の配信数(通数)に含まれないので、無料プランでも通数を気にせず使えます。

さらに有料の「チャットProオプション」(月額3,000円・税別)を付けると、登録したQ&Aから生成AIが答えを選んで返す「AIチャットボット(β)」も使えます。言い回しが違っても答えられるので、キーワード応答の取りこぼしが気になってきたら検討する段階です。

(出典:LINEヤフー for Business「応答設定マニュアル」/「メッセージ配信数としてカウントされるメッセージの種類は?」/「AIチャットボット(β)」提供開始のお知らせ)

電話

  • 留守番電話で別の窓口へ案内する:留守番電話の応答メッセージを「ご予約はLINEまたはWebから24時間受け付けています」と録音し直すだけでも、電話で受けていた用件の一部をほかの窓口へ移せます。追加の費用はかかりません
  • 電話の自動音声応答(IVR):「予約は1番、営業時間は2番」のように音声で振り分け、よくある質問には自動で答えます。サービスによっては、通話のあとで予約ページのURLをSMSで送ることもできます

自動音声応答は、他の3つより費用も準備の手間もかかります。

たとえば「アイブリー」の場合、着信30件まで無料のプランがあり、有料プランは月額3,980円〜(税別・月払い)です。電話番号の維持費や通話料、SMSの送信料は別にかかります。電話が主な受付経路になっている場合に、上の3つを試してから検討すれば十分です。

(出典:アイブリー「料金プラン」)

よくある疑問

Q. どのチャネルから自動化を始めればいいですか?

一番問い合わせの多いチャネルから始めるのが効率的です。どれが多いか分からない場合は、1週間分の問い合わせを記録してみてください。

Q. 導入コストはどれくらいかかりますか?

メール・SNS・LINEの自動返信は、いずれも無料の範囲から始められます。費用が発生するのは、電話の自動音声応答や、複数窓口をまとめて管理する専用ツールを入れる場合です。

Q. すべての問い合わせを自動化しないといけませんか?

その必要はありません。繰り返しの多い部分だけを自動化し、個別性の高い相談は人が対応するという使い分けが基本です。

Q. 冷たい印象を与えませんか?

回答文を自分の言葉遣いで書けば、印象はかなり変わります。最後に「詳しくは追ってご連絡します」と添えるだけでも、放置された感じは避けられます。

まとめ

問い合わせ対応の自動化は、いま一番問い合わせが届いている窓口から始めるのが、最も無理のない一歩です。

  • ①よく来る質問を過去2週間分から洗い出す
  • ②答えが毎回同じ質問だけを、自動で返す側に振り分ける
  • ③使っている窓口の自動返信を設定する(いずれも無料の範囲から始められる)
  • ④返せなかった言い回しを、月1回キーワードに足す

全部を一気に自動化する必要はありません。一番負担になっている窓口から、小さく試してみてください。

繰り返しのやり取りを仕組みに任せて、そのぶんの時間を接客や商品づくりに回していきましょう。

管理人プロフィール
Noah

管理人のNoah。ジンベエザメ。薬剤師として保険薬局に数年勤めたのち、IT企業へ転職。
いまは担当業務のなかで、AIを使った効率化にも関わっています。ChatGPTは公開直後から課金して使い続け、仕事でも私生活でも試してきました。

薬局時代、Faxが主役の現場で「手作業に本業を削られる感覚」を味わったことが、このブログの出発点です。

小さなビジネスの集客・接客をAIでラクにする方法を、自分で触って確かめたことと公式の情報をもとに書いています。

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